まず簡単に「仲卸」とは、主に卸売業者(荷受け)が全国各地から集荷した野菜を買い受け、私達の販売先であるスーパーや小売業者などが買いやすい単位に仕分け・調整し・販売する事を業務としています。
我々仲卸業者は、専門的な立場から消費者に代わって品物を評価し、市場における適正な価格形成を行います。
近年、産地直送などの市場外取引の増加で青果物流通における市場の比重が低下していると懸念されております。
しかしながら、消費者の立場に立って「鮮度」「安全性」「価格」の3つを考えると、品質維持が難しい青果物は出来るだけスピーディに売買し、生産者と消費者との需要バランスを素早く一致させ結ばなければなりません。
この仲卸の分配機能は、卸売業者はもちろん小売業者においてもなくてはならない役割を担っています。
我々仲卸は様々な取引先を持ち、それぞれの顧客ニーズを誰よりも把握しています。
その機能を生かし、青果物の生産と消費の需要バランスを素早く整える社会インフラとしての役割を果たす事が第一の社会的使命です。
次に生産・供給の視点から見てみましょう。
現在、青果物の消費減退や農業人口の減少・高齢化によって、農業の国内生産力の停滞が非常に深刻になっています。
日本の農業が零細で出荷の安定性に欠け、国際的な競争力を失っている一方で、ヨーロッパでは農業が生活基盤としての「命の職」として捉えられており、生産者は「国民の食を預かっている」という誇りを持って仕事をしています。
食料自給率はすでに限界まで低下している日本の農業をどうしていくか、我が国の農業の未来を日本人のアイデンティティに関わる問題として捉え、生産者の方たちの為に有益な情報を収集・発信し、生産活動に活用していただき、日本の農業を発展させていく事、それが我々仲卸業者のもう一つの社会的使命です。
そのため仲卸は、エンドユーザーである消費者の「質的ニーズを探り、独自に商品を探し出す」というマーケティング能力を持ち合わせる事が非常に重要です。
100年の歴史を刻んできた当社は「職人」の集合体から、社会的使命を担う「組織人」「商人」へと意識改革を行う過渡期にあります。
我々の変革が日本の農業を支え、消費者のニーズを満たすことにつながります。
農産物を通して社会へ貢献する事も、忘れてはいけない我々の使命です。
野菜を通じて「私達が社会に貢献できる事」を少しずつでも続けていく、そんな姿勢が大切だと思っています。
食に携わる仕事をしている当社では、「子ども食堂」へ 野菜、果物の無償提供をしています。
地域の大人が子どもに無料や安価で食事を提供する、民間発の取り組みである子ども食堂。
両親の共働きによる、孤食の子どもに食事を提供し、安心して過ごせる場所として始まりました。
「わいわい子ども食堂」は2015年11月より月1回の定期開催をしており、今春から子どもの利用料金が無料としました。
子どもたちが今まで以上に食事を楽しめるよう、野菜や果物を無償での提供をしています。
「傷菜」を「絆」へ
森 きずな プロジェクト
市場から出る廃棄食材を東日本大震災の被災者へ送る支援プロジェクトです。
廃棄食材と言っても食べ残しという意味ではありません。少し色があせたキャベツ、熟れ過ぎたトマト…
つまり食すのには全く問題がないものの、値崩れの心配から捨てられていく野菜を日本郵政株式会社さん、大学生ボランティア「森きずな」さんと共に協力し被災者の元へ届けました。